2021.08.10 | カメラ

【新製品】ソニーから新型カメラ「ZV-E10」が発表。動画カルチャーを牽引するソニーが、ビデオブログに力を入れる理由

一言でいえば、レンズが交換できるZV-1。

お待たせしました。7/27の晩、ソニーから新しいデジタルカメラ「ZV-E10」が発表されました。2013年のミラーレスカメラ「α7」シリーズ以降、今までは“写真を撮るために使われてきた”一眼カメラを、動画撮影でも使うというカルチャーを牽引してきたソニー。さらに動画に洗練されたミラーレスカメラが加わります。ソニーの動画へのプライドと覚悟を感じます。

ソニーにはハイクオリティな動画が撮影できるレンズ交換式のカメラとして、「α6400」や「α7C」があります。同じ価格帯で似た製品があるなかで、なぜソニーはさらに動画に特化したカメラを投入したのでしょう?

E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSが付属

なお、ソニー ZV-E10の発売日は、2021年9月17日(金)。本体の想定価格は、7万8000円前後、レンズキットが想定価格は8万9000円です。ブラックとホワイトの2色展開です。

醸成されるVlogカルチャー

ZV-E10は、2020年に発売されたカメラ「ZV-1」の兄機種となるモデルです。これらのカメラに共通するコンセプトは「Vlogカメラ」。動画撮影のなかでも、自分の生活をダイジェストする「ビデオブログ(Vlog)」の撮影に特化したカメラとして開発されています。

いまやVlogは、「クリエリターやインフルエンサーの私生活を覗き見できる」フォーマットとしてYouTubeやSNSで大きなマーケットがあり、動画クリエイターの編集スタイルが確立されています。そこでソニーがVlog撮影に特化したカメラを作ることで、クリエイターがVlogをより簡単に・高品質に作れるようにする狙いがあります。

おおげさなほど、Vlog特化

ZV-E10 / ZV-1(大きさを除くと同じような構成要素になっている)

昨年に発売されたZV-1との違いは大きく2つ。センサーサイズが1インチからAPS-Cサイズに大型化された点と、レンズが交換できるようになった点。とくにレンズ交換が可能になったことで、すでに発売されているソニーのEマウントレンズを共用できるようになります。カメラ本体のハードウェアは既製品のα6400と同等といえるでしょう。ZV-E10は、そこからさらにVlog撮影に特化しています。

Vlog撮影においては「自撮り」「フォーカス」「音」の3つの要素が重要です。ZV-E10には、ZV-1ゆずりのVlog撮影に特化した機能を多く搭載し、この3つの要素を網羅しているのが特徴です。

①自撮り

Vlog撮影では、外部の被写体を撮影するだけでなく、カメラを持ちながら自分を撮影する「自撮り」を多用するスタイルが特徴です。

そのためディスプレイは、ソニーのAPS-C機では初めての横に展開するバリアングルディスプレイを搭載。ZV-1同様、指先で簡単にモニターをフリップできます。

②フォーカス

一眼ミラーレスカメラで動画を撮影する理由として、ボケ感が得られるメリットがあります。しかしボケ表現にはデメリットもあり、被写体ごとにフォーカスを切り替える必要があります。そのため一眼ミラーレスカメラでは、オートフォーカスの精度が重要になります。

そこでZV-E10では、Vlogに特化したユニークな機能を搭載。撮影シーンである「商品レビュー用設定」は商品を顔の前に出すことで、すぐに顔から商品にフォーカスが切り替わるユニークな

既存のソニー製品にも搭載されている、被写体の顔にフォーカスを合わせ続ける「リアルタイム瞳AF」や、指定した被写体を追従する「リアルタイムタッチトラッキングAF」ももちろん搭載しています。

③音

3つのマイクを搭載した指向性

写真用のカメラには簡易的なマイクしか搭載されず、Vlogで声を収録する場合は外付けのマイクを装着する必要がありました。

ZV-E10ではカメラ内蔵のマイクで済むよう、3カプセル方式のマイクアレイを搭載しています。どうですか、このマイクグリル…(下画像)。ZV-1でもアイコニックでしたが、こんなに大きなマイクを搭載しているのはZVシリーズしか見たことがありません。また性能においても、ZV-1から集音効率を改善しているとのこと。

ZV-E10では「M, S, A, P」のモードダイアルが省略されている

加えてZV-E10では、ファインダーやモードダイアルといった写真由来の要素をカットし、既存のαシリーズのなかでも最小クラスのサイズになっています。屋外での撮影でも取り回しのしやすい設計になっています。

そして8~9万円でこの性能のカメラを購入できるのは、シンプルに価格破壊といえるでしょう。

より広い選択肢。より柔軟な撮影シーン

レンズ一体型のZV-1は、「これ1台さえ買えばすぐVlogを始められる」という簡単さを重視したモデルでした。いっぽうでZV-E10は、言うなれば「より多くのシーンをVlogで収められる」という柔軟さを重視したモデルでしょう。

レンズ交換ができることで、屋外で撮影するときは軽量なレンズを、屋内で撮影するときは品質の良いレンズを装着する。またセンサーサイズにおいても、1インチよりもAPS-Cフォーマットのほうが暗所での撮影がしやすい、ボケ量が多いなどといったメリットがあります。

ZV-E10の登場によって、ZV-1だけではカバーできなかったシーンでVlog撮影ができるようになります。ユーザーにとっても、Vlogカメラがより幅広いラインナップになったことは、「ソニーのカメラにベットする」大きな理由になるでしょう。すでにソニーのカメラユーザーにとっては、2台目以降の動画用カメラとしても非常に魅力的に見えます。

ZV-E10の実機を用いた記事は、後日公開します。

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